奈良公園に約1,400頭いる鹿とともに、長く住み続けている昆虫がいるのをご存知でしょうか?
その虫の名は「糞虫(ふんちゅう)」。
鹿などの動物が出すフンを食べて分解し、土に還す手助けをしてくれます。
「ならまち糞虫館」は、そんな糞虫を数多く集めた博物館です。
虫好きの家族とともに行ってきたので、その魅力を紹介します。
ならまち散策を楽しみながら立ち寄れる
ならまち糞虫館は、近鉄奈良駅から小西さくら通りを南へ歩いて約12分。
JR奈良駅からは徒歩約15分です。
糞虫館には駐車場はないため、車で行かれる場合は近隣の時間貸し駐車場をご利用ください。
道中には、カフェや古書店、パン屋などがあり、寄り道をしながら向かえます。

目的地の近くまで来ると、仏具店の横に看板を発見しました。

細い路地の先に、糞虫館のロゴが入ったコーンが見えるので、まっすぐ進みましょう。

糞虫館の入口に到着しました。
入ってみましょう。
秘密基地のような糞虫ワールド

中に入ると、白を基調とした明るい空間が広がっていました。

糞虫の標本がカラフルな球体の上に浮かぶように飾られていて、まるでジュエリーショップのような雰囲気。

ディスプレイの近くには、虫メガネやペンライトが置いてあり、拡大したり光を当てたりして標本をじっくりと観察できます。
ならまち糞虫館ができるまで

館長の中村圭一さんは、中学生のころに糞虫の美しさに魅了されて以来、奈良公園に通い続けていたそうです。
26年間勤めた金融機関を早期退職後、2018年7月にならまち糞虫館をオープン。
長年温め続けた夢を実現させたのだとか。
そんな館長が集めた糞虫たちを、さっそく見ていきましょう。
奈良公園の糞虫は世界でも珍しい青色
入口の近くには、日本の糞虫コーナーがありました。
展示を見ながら、館長に説明していただきました。

奈良公園でよく見られる糞虫のオオセンチコガネは、ちょうど桜が散る頃に土の中から出てきて活動し始めるとのこと。
全国に生息するオオセンチコガネの約8割は赤から赤緑色をしているそうですが、奈良県やその周辺では青や青緑ばかりで、これほど密集している地域は、日本中で奈良周辺と屋久島だけだそうです。
近年は鹿の数が増え生息域が広がったことで、異なる地域の糞虫が混ざり合うケースも見られるとのこと。そのため「現在の青色とは異なる色の糞虫が出てくる可能性もある」とおっしゃっていました。
今後、これまでにない色の糞虫が展示されることもあるかもしれませんね。
フンコロガシは実はほんの一握り
日本にいる約180種のうち丸い球を作れるのはわずかに9種類で、そのうち作った球を転がす習性があるのは4種類だけだそう。
「糞虫=すべてフンをころがす」と思っていたので、転がす種類がこれほど少ないとはびっくりです。
館長の説明は楽しくてわかりやすく、子どもと一緒にぐいぐい引き込まれて聞いていました。

さらに奥の部屋には、フンコロガシが実際に作った糞の球や、外国のフンコロガシなどの展示がありました。


ちょっと変わった手土産も!

館内では、オリジナルグッズも販売しています。
糞虫館オリジナルTシャツのほか、畠山製菓とコラボした「ふんころ菓子」など、ちょっと変わった奈良みやげを探している人にぴったり。
糞虫にまつわる書籍もあり、子ども向けの図鑑から専門書まで種類豊富です。
館長と一緒に奈良公園やその周辺で糞虫を採集・標本作りができる「糞虫教室」も定期的に開催しています。(有料・要予約)
対象は小・中学生です。
本格的な体験をしたい方におすすめ。
奈良公園の見方が変わるきっかけになる場所

ならまち糞虫館は、昆虫に興味がある方や、隠れ家的なならまちのスポットを探している方におすすめです。
館長の語り口はやさしく、難しい話もわかりやすく解説してくれるので、子ども連れにもぴったり。
奈良公園を長年支えてきた糞虫のことを理解すると、いつもの奈良散策が違って見えてくるかもしれません。
ならまちを散策の際は、路地の奥の扉を開けて、ぜひ小さな虫たちの世界を体感してみてください。
ならまち糞虫館
住所:奈良県奈良市南城戸町28-13
アクセス:近鉄奈良線「近鉄奈良駅」から徒歩約12分
万葉まほろば線「JR奈良駅」から徒歩約15分
TEL:070-1798-6464
営業時間:13:00-18:00
定休日:月~金曜日
駐車場:なし
入館料:大人 300円
子供(小学生以下) 100円



















