今回は、矢田丘陵の麓に構えるフランス菓子屋「パティシエ カフェ フラウ」(以下、フラウ)をご紹介します。
今から約18年前にオープンした、生駒市で愛され続ける菓子屋さんです。
萩の台駅から徒歩約15分の立地。生駒山を眺めながらのドライブ中に、ちょっとひと息つける喫茶店をお探しの方にもおすすめです。
生駒の隠れ家的菓子屋 パティシエ カフェ フラウ

お店の名前になっている「フラウ」はドイツ語で「女性」や「婦人」を意味する言葉。
その名の通り、お店のドアを開けると、女性客の心を惹きつけるかわいらしい飾りつけで出迎えてくれます。

店内にあるテーブルや椅子は、18年前のオープン当初にオーナーが買い付けたもの。当時は関東に2店舗しかなかったIKEAまで出向いて購入した、思い出の家具だと語ってくれました。

購入した当時は濃い茶色の家具でしたが、なんだか暗い雰囲気を醸し出していたとのこと。それからオーナー自身が、明るくてポップな色に塗り替えていったそうです。
店内のBGMも、気持ちをさらに明るくしてくれます。
一番人気のケーキは開店2時間以内に売り切れ
オーナーの河合さんは自称「食いしん坊」。ひとつひとつの菓子にこだわりを持っています。
私の「一番のおすすめは?」という質問に対し、「我が子に順位をつけられない」と戸惑った様子。
それでもやはりお客さんからよく聞かれるとのことで、店内の人気商品TOP3を教えてくれました。
人気TOP3
- No.1 ピンクローズの生ショコラタルト
- No.2 和のモンブラン
- No.3 フランボフレーズ

さっぱり派も甘党も楽しめるよう、豊富な種類のケーキがショーケースに並べられています。
人気No.1の『ピンクローズの生ショコラタルト』は、筆者が到着した13時にはすでに完売。
残念そうな表情を見せた筆者に、特別にこのケーキに使用されている原料の香りを嗅がせてくれました。
素材となるピンクローズティーの茶葉はとても香り高く、思わずトリコに。この原料で洋菓子を作ると、人工的な匂いが全くしないと自信たっぷりに話します。
次回訪れるときは『ピンクローズの生ショコラタルト』を狙って、開店直後に訪れてみようと思います。
今回は人気No.2のモンブランを堪能しました。

ところで私は、モンブラン大好き歴30年強。
物心ついた頃から、いつもモンブランばかりを頼んでいました。オーナーにおすすめを聞いておきながら、実はモンブランを注文すると決めていたのです。
ステキな紅茶のオプションにも心が揺れましたが、今回はブラックコーヒーで。

モンブランとコーヒーが同時に運ばれ、まずはコーヒーからひと口。コーヒーカップから漂う良い香りは、食いしん坊オーナーのこだわりのポイントです。
過去にはコーヒーメーカーを使って淹れていたけど、ちょっとでもおいしいコーヒーをいただいてほしいという想いから、現在はひと手間かかるハンドドリップに変更されたそう。
一杯ずつ丁寧に淹れてくれます。
そして、気になったのは『和のモンブラン』というネーミング。マロンペーストのほかに、白胡麻・きなこ・玄米が使われており、自然でやさしい味わいが印象的でした。
ひと口目は「うん、結構好きな味のモンブラン」と単純に思いましたが、ふた口目からは「この感覚はいったい何なんだろう」とより興味深く、じっくり観察して味わうようにいただきました。
モンブランの外側から内側にかけて味変していき、まろやかだけど濃厚。ラム酒がほんのりと良い風味を出しており、とても複雑な味わいを披露してくれました。

この正体を暴くために、オーナーシェフ河合さんにモンブランの作り方を伺いました。すると、洋菓子作りに対するこだわりを惜しみなく語ってくれたのです。
巷ではパフォーマンス性が高いモンブランが流行しているようですが、フラウではオーソドックスな製法一択。それは、この複雑な構造を作り出すためだと言います。
これまでにさまざまな原料を使ってきたオーナー河合さん。オープン当初は高級品を使ったりもしたので「フラウのケーキは高い」と言われたことも。
しかし長年の経験により、お求めやすい価格帯で、ケーキの味を最大限に引き出せる原料を見つけ出したとのことです。
モンブランに添えられているメレンゲには玄米がはいっており、ほのかに和テイストが感じられます。
お口直しにと、メレンゲのアイスクリームもいただきました。
ケーキ作りで余ってしまう卵白を廃棄しないため、「可能な限りお客さんに提供したい」とロスにも気を配っていらっしゃいました。
人気商品を狙うなら午前中がおすすめ
午前中の客足が多いとのことなので、人気商品を買う場合は早めの時間帯の来店がおすすめ。
店内にはテーブル席が4つあり、合計11人が飲食できます。2台分の駐車場が店舗の隣にあるので、大勢で訪れる際はのり合わせでお越しいただきたいとのこと。
筆者の個人的な感想ですが、ケーキのお持ち帰りも良いけど、やはり店内でコーヒーや紅茶と一緒にいただくとおいしさが増します。
店内には焼き菓子も販売されており、バースデーケーキの受付けもおこなっているとのこと。

2025年8月時点の支払い方法は、現金・PayPay・Alipayの3種類。今回はケーキセットB(モンブラン+コーヒー)でちょうど1,000円でした。
たったの1,000円で優雅な時間を過ごせる菓子屋に、みなさんも一度立ち寄ってみませんか。
パティシエ カフェ フラウ
住所:奈良県生駒市萩の台866-14
アクセス:近鉄生駒線「萩の台駅」から徒歩約15分
第二阪奈道路 小瀬出口から車で約3分
TEL:0743-28-1546
営業時間:11:00-17:30
定休日:水曜日、木曜日(祝日は営業)
駐車場:あり