大和郡山市は神社仏閣が数多くのこる街。歩いていると、たびたび神社やお寺に出くわします。
いにしえから受け継がれる場所がとけこんだ街の風景は、心をほっと落ちつかせてくれます。
今回は、昔から氏神として地元の人々の信仰をあつめる、郡山八幡神社に行ってみましょう。
柳町商店街の南端にたたずむ神社

郡山八幡神社は、柳町商店街の南側アーケードを出てすぐの場所にあります。
商店などが建ちならぶメインストリートの脇にある参道を進んでいくと、商店街の喧騒はどこへやら、静かで落ちついた空気がただよいます。
郡山八幡神社は、室町時代には文献上で存在がみとめられている由緒正しい神社。豊臣秀吉の弟・秀長が郡山城を築城した際に現在の場所に遷宮し、以降は氏神さまとして地元の人々の信仰をあつめています。
御祭神は八幡神。武運の神さまですが、現代では悪病災難退散や交通安全、子育て、縁むすびの神さまとしても知られているそうですよ。

神社の名前がきざまれた石柱の奥に、立派な鳥居がみえますね。まずは一礼してから鳥居をくぐります。

石灯籠がならび、どことなく神聖な空気にみたされた参道をすすんでいきます。
落ちついた雰囲気の境内でお参り
門をくぐると手前に社務所があります。ここでお守りや御朱印を購入できるようです。

そして奥には立派な拝殿がたたずんでいます。
建物が密集している城下町とはうってかわり、すっきりと広くて、どことなくおごそかな雰囲気。

さっそく見てまわりたい気持ちをこらえて、まずは手水舎へ。ひしゃくを使って身を清めます。
何気なく上を見てみると、清め方のガイドが掲示されていました!
普段から神社に参拝する習慣がないと、いざやろうとした時に手順が分からなくて困ることもあるので、とても助かりますね。

きちんと身を清めたので、拝殿にお参りしましょう。
お賽銭を入れて鈴を鳴らし、二拝二拍手一拝。日ごろの感謝とお願いごとを心のなかで唱えます。
お花のような形の吊り灯籠がかがやき、なんとも神々しい雰囲気をかもし出していました。

全国的にもめずらしい「グラブ神社」

参拝をすませて上を見てみると、グローブがかざられています。よく見かける形から見慣れない形のものまで、いろんな種類のグローブがならんでいますね。
じつは、郡山八幡神社は「グラブ神社」としても知られています。グラブとは野球のグローブのこと。野球上達の祈祷もされているそうです。めずらしいですよね。
絵馬に書かれたお願いごとも、野球にまつわるものが多かったです。
全国の「野球がうまくなりたい」と願う人たちが、グラブ神社をおとずれているようです。

また、中古グラブを回収してきれいに供養洗浄し、海外の子どもたちに寄付する活動もされているそうです。
自分が大切に使っていたグローブが、供養洗浄を経てふたたび海外の野球少年たちの相棒になるなんて、なんだかすてきですね。
もちろん、通常の安全祈願や厄除けもされていますよ。
大和郡山市には神社仏閣が多くあるので、御朱印めぐりでおとずれてみるのもよいですね。
心をおだやかにしてくれる神社

郡山八幡神社は商店街のちかくにありますが、境内に足を踏みいれれば、街の喧騒はどこへやら、落ちついた雰囲気にいやされます。
時おり風が吹きぬけて、木々のざわめきが聞こえます。自然の音に耳を澄ませているうちに、だんだん心がしずまってきます。
毎日たくさんの刺激にかこまれながら、せわしなく過ごすことが当たり前になっているのだなと気づかされました。
めまぐるしい日常に余白をもつため、ときどき神社をおとずれてみてはいかがでしょうか。
郡山八幡神社でお参りをしたあとは、柳町商店街を気のむくままに散策するのも楽しいかもしれませんね。
郡山八幡神社
住所:奈良県大和郡山市柳4-25
アクセス:近鉄橿原線「近鉄郡山駅」から徒歩約8分
JR関西本線「郡山駅」から徒歩約15分
TEL:0743-52-2746
営業時間:6:00-18:00
定休日:年中無休
駐車場:有















