現在開催中のWBC(World Baseball Classic)で、日本代表の「お茶立てパフォーマンス」が話題になっています。ヒットを打った選手をベンチで迎える際、抹茶を点てるようなしぐさをするユニークなパフォーマンスです。
その「お茶を点てる道具」である茶筌(ちゃせん)の産地として知られているのが、生駒市北部にある高山町。
実は高山は、日本で唯一の茶筌の産地として知られており、茶道文化を支える職人の技が今も受け継がれています。
今回は、そんな茶筌文化に触れることができる「高山竹林園」を訪れてきました。
竹林の中を散策したり、職人の技を見学したり、実際に抹茶を点てる体験もできるスポットです。
約50種類の竹が楽しめる「竹の生態園」

学研北生駒駅から車で約10分の場所に高山竹林園があります。
道中には茶筌が製造・販売されている工房や、茶筌を作るための竹が干されている様子も見られ、高山町が茶筌の里であることを感じさせてくれます。

駐車場から敷地内へ続く遊歩道には、たくさんの竹が。
この遊歩道は「竹の生態園」と呼ばれ、約50種類もの竹が植えられています。

歩いていると、小川のせせらぎが聞こえ、竹林を通り抜ける風がとても爽やか。竹の葉がさらさらと揺れる音も心地よく、自然の中をゆったり散策している気分になります。
途中にはベンチなど休憩できる場所もあり、竹林の景色を眺めながらのんびり過ごすこともできますよ。日常の喧騒から少し離れて、リフレッシュできる散策コースです。
青空と竹が広がる気持ちのよい公園

園内の階段をあがると多目的広場があります。
訪れた日はよく晴れた日で、青空と竹の黄緑色が爽やかに映える気持ちのよい景色が広がっていました。


週末に開催されるお祭りに向けて準備が進められていて、立派な竹のオブジェが組み上げられていたり、動物の形をしたかわいらしい竹細工が飾られていたりと、竹文化の魅力を感じられるようになっていました。

また、茶筌を作る工程のひとつである、竹をきれいに組んで干している様子(寒干し)を見ることもできました。
日本唯一の茶筌の産地・高山

園内にある資料館では、高山の茶筌の歴史や茶道具を中心とした竹細工について紹介されています。

館内には、茶筌だけでなく、竹で作られたさまざまな道具が展示されています。
多種多様な編み針もあり、高山の職人さんたちの加工技術の高さが伺えます。


茶道具も数多く展示されていました。流派ごとに形の違う茶筌や道具を見ることができるのも、興味深いポイントです。

高山は全国で唯一の茶筌の産地。その技術は一子相伝の技として今日まで受け継がれてきました。この伝統は日本の伝統工芸としても高く評価されています。


毎週日曜日には、職人による茶筌作りの実演を見学することも可能。実演中は職人さんに気軽に質問することもでき、茶筌作りの奥深さを知ることができます。
伺った日の前日には、職人さんがWBC日本代表の選手団へ茶筌を届けに行ったという話も聞くことができました。
日本庭園を眺めながらお抹茶体験

資料館ではお抹茶体験もおこなわれています。抹茶のみの体験は500円、お菓子付きは700円で気軽に体験することができます。
案内されたお茶室には、床の間があり、障子を開けると立派な日本庭園が広がる、本格的な空間。お抹茶と茶筌、お湯が用意され、自分で抹茶を点てる体験ができます。

今回出していただいた茶筌は「青竹の真」と呼ばれるもので、お正月の初お茶会などで使われる特別な茶筌だそうです。

お茶碗の中で「1」の字を書くように茶筌を縦に動かし、最後に「の」の字を書くように整えると抹茶の泡がきれいに立ちました。
お茶碗を右手で持ち、左手にのせて二回まわしてからいただきます。
日本人でも、実際に自分で抹茶を点てる機会は意外と少ないもの。
体験してみると、お茶の香りや泡立ちの様子などをじっくり楽しむことができ、とても貴重な時間でした。

庭園を眺めながらお茶をいただいていると、自然と背筋が伸び、気持ちが整うような感覚に。
風が通るたびに竹がさらさらと揺れる音や鳥のさえずりが聞こえ、慌ただしい日常とは違う静かな時間が流れていました。
家族や友人と訪れて楽しむのはもちろん、一人でゆっくり過ごすのにもぴったりの体験です。
隣の和室には本格的なお茶室もあり、予約してお茶会を楽しんでいるグループの姿も見られました。
秋には幻想的な「高山竹あかり」イベント

高山竹林園では季節ごとのイベントも開催されています。
秋におこなわれる「高山竹あかり」では、竹で作られた灯籠やオブジェにろうそくの火が灯され、園内が幻想的な雰囲気に包まれます。
竹林とやわらかな灯りが織りなす景色はとても美しく、昼間とはまた違った魅力を楽しむことができます。
生駒で出会う日本の伝統文化

近くに住んでいても、知らない魅力がたくさんある高山町。
高山竹林園では、日本の茶文化を支える茶筌の伝統や竹文化に触れることができます。散策を楽しんだり、抹茶体験をしたりと、ゆったりとした時間を過ごせる場所でした。
お近くに来られる際は、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
高山竹林園
住所:奈良県生駒市高山町3440番地
アクセス:近鉄けいはんな線「学研北生駒駅」奈良交通バス2番乗場から「傍示・生駒北スポーツセンター行き」で約10分、「上大北」で下車し徒歩約5分
TEL:0743-79-3344
営業時間:9:00-17:00
定休日:12月27日-1月5日
駐車場:あり

















